「音楽そのものに忠実であること」をブランドポリシーとしています。
助廣氏は、前職はハイエンドオーディオ機器の受託製造会社で
トーンアームやフォノカートリッジの設計製造も携わっていた方。
プライベートでは幼少期からレコードを愛聴し、学生時代はバンド活動、
レコーディングや楽器作りまでと幅広い。その後DJ活動を経て、
電気工学を学ばれています。
プロフィールを拝見するだけでも、
音楽へのただならぬ思いを感じますね。
今回試聴機材は下記を使用しました。
YAMAHA GT-5000 レコードプレーヤー
ELECTROCOMPANIET ECP-2MKⅡ フォノイコライザー
VITUS AUDIO RL-102 プリアンプ
VITUS AUDIO RS-101 パワーアンプ
B&W 800D3 スピーカーシステム
Jorma Design ケーブルは全てJORMA DESIGNを使用。
試聴ソフト(7枚)
❶Stereo Sound Dialogue/今井美樹 45rpm LP
❷Stereo Sound Reference record 菅野沖彦 VOL.1
❸ヴェルディ 歌劇「マクベス」前奏曲
❹シューベルト 歌曲集「白鳥の歌」D.957:第9曲; 彼女の絵姿
ディートリッヒ・フィッシャーデスカウ
❺シューベルト 音楽に寄せて作品88番の4 D.547歌曲集
エリーアーメリング(ソプラノ)
❻ダイアナクラール I’m Confessin'
❼ELGAR Jacquline Du Pre cello Concerto, Sea Pictures
試聴感想は特別に今井社長の詳細コメントを掲載したい思います。
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■ MCフォノカートリッジ 3.5S ¥240,000(税別)
ベースの帯域がちょっと緩く、他の楽器より張り出し気味である。
2.0Sと比較して全体に低音域のバランスがやや異なる。
ちょっと面白いカートリッジで特筆すべきは、
ジャクリーン・デュプレのチェロがあまりきつくなくて疲れることなく聴けたのは収穫である。
以前からこのLPやCDのチェロのいくらか痩せて先鋭な音色に
もうちょっと胴の響きがあればと思っていたが、このカートリッジはほどよいバランスで聴かせてくれる。
Sea Picturesではジャネット・ベーカー(メゾソプラノ)の摩擦音や破裂音も心地良く聴けた。
これぞアナログオーディオの妙である。再生音楽にカートリッジというパートが、
今まで感じ取れにくかったレコードの楽曲に新たな生命を吹き込んでくれた。
■MC フォノカートリッジ「2.0S」 ¥360,000(税別)
一聴して、サ行-ハ行の耳障りがなくて聴きやすい。
さしすせそ-はひふへほの摩擦音はカンチレバーの響きに関わるところで、
なぜかボロンではなくA2017アルミニウム合金,
テーパー形状中空パイプの方がうまくいっているようだ。
そして何よりもヴォーカルの肉声感が瑞々しく、
唇が見えるようなリアリティを味わえる。
誇張、演出がなく油絵でも水彩画でもない微妙な位置づけである。
とにかく柔らかな風合いとでサウンドステージも良好。
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